モラトリアム中年の憂鬱

非正規雇用のままで結構いい年まで来ちゃった人は、正社員になるチャンスを逃して、仕方なく非正規雇用に甘んじているだけで、チャンスがあれば正社員になりたいんだ、という声も大きい昨今ですが、正社員故の業務量や責任、会社のルールに則った仕事や考え方をしなければならない等々のことを考えると、そういうのが煩わしいから、あえての非正規なんだという人も一定数いる。

というか、私の周りには割と多い。

大体もともとはどこかの会社で正社員をしていて、体調を崩したり、家の都合でいったん離れて、再就職しようとしたときに、非正規しか見つからなかったというパターンをよく聞くし、自分もそのなかの一人だ。

で、いったん非正規で社会復帰をしてみたものの、安い給料だけど責任の重くない仕事だし、残業しこたまするような生活ではないからいいかと思って、気がついたらいい年になっていたという現実。(入社したときには20代や30代だったのに、いまやみんな40代・50代でござる)

非正規だなんだと言いつつも、会社にはちゃんと社員転換の制度もあって、割と新しく入って来た人は数年で転換をしている傾向なんだけれども、いまの会社に10年以上いる非正規社員ほど、社員転換をしたがらないのは、社員のカースト制度がかなりシビアだからという話は機会があったら改めて書こうと思う。

 

さてさて、下期がスタートして半月経過。

人事異動の波も収まって、やっと新体制でミーティングをしたところ、4人中2人減るけど追加投入はないので、来るべき繁忙期(半年間)を正社員1名と契約社員1名(わし)で乗り切るしかない! とのお達しが。

そんなこんなで、新体制ではサポートではなくメイン業務の増加、いままで担当していなかった業務もどんどん追加と、追加追加の追加の嵐。

あれ? 非正規雇用契約社員)って、定年までの雇用保証も退職金もボーナスもない代わりに、あくまでも社員のサポート要員という立ち位置だから、その分責任を負う仕事をメインで担当せずにすむことや、そこまで残業しなくていいのがメリット……ではなかったのだろうかと遠い目に。(会社の求人広告にも定時で帰れるから、プライベートも充実できます! ってうたい文句があるよ!)

もともと繁忙期になると残業時間増加で規定時間ギリギリ、それでも噴煙上げながら片付けるしかないという、自転車操業的力技でこなしてきちんと期日までに仕上げていたので、正社員の評価(=ボーナス)には貢献できても、自分には跳ね返ってこないという切なさがあったんだけども、これじゃあ、(丸々ではないにしろ)社員2人分を、安月給の一人分の給料でカバーできるという会社だけが得をする話ではなかろうか。

ミーティング後、思わず昔のCMのように「オー人事オー人事」というワードが口からするりと出ておりました。

 

同一労働同一賃金ってなんなんだろうね……。