映画を見ただけなのに、あの当時を思い出して心臓が痛くなった

久々に映画ネタ。

韓国映画「国家が破産する日」。1997年の韓国通過危機を描いた作品。

経済は門外漢でとんと分からないので、出てくる用語をDVDを止めながら調べてみたものの、難しすぎて頭に入らず……。

経済を理解できていればもっと深く楽しめたんだろうな〜とは思いつつも、いきなり理解できるはずもないので、普通にひとつの映画作品として見ていたら、なぜだかあの時代の記憶が蘇ってきて、見ている間ずっと心臓が痛かった。

(以下、センシティブな内容が続くので、折りたたみます)

 

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日本の1990年代後半は、テレビで消費者金融のコマーシャルが日常的に流れ(令和のいまも流れているけれど、会社の種類も多かったのでコマーシャルの数も大量だった)、街を歩けば消費者金融の広告が入ったポケットティッシュが配られていた時代だったと記憶している。

いまは大学全入学時代と言われ、卒業後は大企業のサラリーマンになることがある意味、正しい道(正解)といったような声が大きいけれど、1990年代はまだ大学進学率も50%もいかなかったし、バブル景気が崩壊したあとは、大企業の新卒募集なんてほとんどなくなっていたので、就職できるならどこへでも何でも……! という時代だった。

 

同世代で親が自営業や中小企業の経営者だという人も多く、最近父親の会社が資金繰りに苦労している、借金の保証人になった相手が蒸発した……などの話を身近で見聞きするようになった矢先に、それを言っていた同僚のお父さんが突然死したり(原因は察してと言われて何も言えなかった)、中途入社した方の前の職場の社長が保険金をかけあって複数人で自死し、会社が倒産したので転職したのだという人もいたりで。

あの当時、たった3年くらいの間で、そういった出来事を身の回りで聞くことが異様に多かったなと、いまにして思う。

この映画を見ていたときに感じた心臓の痛みは、中小企業の経営者たちの辿る茨の道が重なって見えて、苦しかったということなのだろうか。

いまもコロナで、経営が苦しい企業や業種がたくさん生まれている。

長引けば長引くほど、踏ん張れないところも出てくるだろうし、国や地方自治体の財政への影響も増大し、コロナ後を考えたら、単純に明るい未来とは言えないのかもしれない。

映画のなかに出てきた登場人物のように、先を見通して、ピンチをチャンスにできればいいけれど、そう簡単にはいかないんだよな〜と、過去・現在・未来まで、いろんなことを考えさせられた映画だった。